ろじたんを活用されている事例をご紹介します。
NIPPON EXPRESS CANADA LTD. 「ろじたん」インタビュー
図 1:NXカナダ概観
ろじたんユーザー
NIPPON EXPRESS CANADA LTD.
Business Administration & Development
Project Management Office (PMO) 堀内佑季子 様
NIPPON EXPRESS CANADA LTD.(以下、NXカナダ)は、1983年9月15日に北米での国際拠点の拡大を目的に、NXアメリカの子会社としてオンタリオ州トロント市に設立されました。航空・海運輸出入フォワーディング業務、国内トラック輸送業務、通関業務等を行っていますが、今回は物流センターで「ろじたん」を利用して48社の顧客管理を実現させた事例を紹介します。(以下、敬称略。聞き手:NX総研・坂東)
- 総研
- 「ろじたん」の導入を検討したきっかけを教えてください。
- NXカナダ
- 元々ろじたんの事を知っていた上司が日本からカナダに赴任して、話を聞きました。その後、一時帰国の時に実際にろじたんでタブレットを利用している現場を見学して確認しました。
- 総研
- 「ろじたん」導入によって解決したいと考えた改善課題はありましたか。
- NXカナダ
- 以前は作業工程や時間を紙に手書きで管理していました。人によっては書かない人もいて、正確性に欠けていました。また、管理者がデータエントリー(紙の情報をシステムに入力)するのも大変手間がかかっていましたので、アナログ管理からデジタル管理へ改善する必要がありました。
また、荷主からも生産性やデータを出すように求められていたなか、正確かどうか分からない情報を基に生産性を算出していた部分もあったので、そこを明確にする必要がありました。 - 総研
- データエントリーの部分は多くのお客様が、紙日報をデジタル化したいという理由でろじたんをご利用頂いていますね。また、生産性を実際に算出されて、想定していたもの、または以前に算出していたものと比べてどうでしたか。
- NXカナダ
- 想定していた生産性と比べると、結果は色々でしたね。複数のアクティビティがあり、ブレイクダウンしていくと、想定していたものより生産性が高かったもの、低かったものがありました。一番良かったのは、導入前に総研さんから教えてもらっていた、クリーニング(整理清掃)や雑務に多くの時間がかかっているのが分かって良かったと思います。
- 総研
- そうですね。いわゆる「不稼働」に分類される時間は、顧客から収入を得られる「主体業務」へ振り分けていく事が改善にも繋がりますね。出来るだけ生産性の高い業務の時間を増やしていくことがポイントですね。
導入前にお話ししていた「手待ち時間」の把握はいかがだったですか。 - NXカナダ
- 作業項目の設定はしていたのですが、タブレット2台で計測していて、そこまでボタンを押しに行く必要があるため、実際には何もしていない時間も他の作業に含まれてしまっています。もう少しタブレットを増やせば、手待ち時間の把握もできるとは考えています。
- 総研
- 確かに他のお客様でもタブレットの場合はリアルタイムでの計測管理が可能である一方、手待ち時間の把握はいつもタブレットが近くにあるような現場で、まとまった手待ち時間がある場合にボタンを押下されるケースが多いため、これらの改善にはスマホやスマートウオッチが向いていますね。
- NXカナダ
- 本当はカナダでもスマホかスマートウオッチを導入したいのですが、Android端末50台を日本からレンタルで持ち込むのも大がかりになってしまうので、タブレットの方がすぐに実行できると考えました。
図 2:タブレットでの計測 - 総研
- 「ろじたん」導入時の良かった点、改善が必要な点はありますか。
- NXカナダ
- 良かった点はデータ入力の時間など、コストダウンができた点ですね。生産性やデータが取れるようになった点も良かったです。
改善して欲しい点はWMSと自動で繋がってほしいと考えています。また、通常業務をやっているので、データダウンロードなどの確認を後回しにすることが多く、毎日メールでその日の生データを自動で送ってくれるようにしてくれると助かりますね。 - 総研
- メールでの配信は難しいですが、API(Application Programming Interface)の連携は他のお客様とも始まっています。別料金のサービスにはなりますが、弊社からAPIキーを発行して、ろじたんのデータを自動でGetして頂くことは可能です。但し、どれぐらいの頻度や回数でデータ取得されるかなど、ろじたんサーバーの負荷も鑑みる必要があります。一度、社内で検討してみてください。
(参考)DXを加速させるAPIとは何者か?
図 3:グループ別ボタン割付 - 総研
- 計測中・計測後で、良かった点、改善が必要な点はありますか。
- NXカナダ
- 人によってはデータの不整合や帰宅時に終了し忘れがあることもあり、月末にチェックしていますが、手間になっているので、日々のアラート機能が欲しいです。今は勤怠システムも別で利用しているのですが、一日の終わりに、帰りの入力が抜けてしまうケースが多いです。他社ではどのように運用されていますか。
- 総研
- 基本的には管理者の方には出来るだけ毎日チェックして頂くこと、作業者の方には毎日声掛けして頂くようにして、習慣にして頂いています。貴社では50名分のデータを1カ月に1度の修正になると、後からどうだったか思い出すこともできないため、極力日々のチェックをお願いいたします。
- 総研
- 「ろじたん」に今後期待する事(機能・サービスなど)はありますか。
- NXカナダ
- 今はろじたんWebの日本語をGoogle chromeで英語に自動翻訳していますが、本来の意味に合わないケースが多く、英語でも正しく表記されるように改善して頂きたいです。
- 総研
- そうですね。スマホやタブレットに表示するボタン名、ブラウザに表示する作業項目名につきましては、何語でも対応可能で、作業者は言語を問わず計測可能ですが、弊社としても、ろじたんの海外展開を今後進めていくには、Webの多言語化は必要だと考えています。今は日本語でしか提供できていない分析ツールの英語化を含め、ダッシュボード機能をGoogle chromeやEdgeの機能に頼らずご利用頂けるように改善を検討したいと思います。
本日は貴重なお時間とご意見をたまわり、誠にありがとうございました。
図 4:Edgeで英訳されたダッシュボード
図 5:堀内様(写真左端)と作業スタッフの皆さん