ろじたんを活用されている事例をご紹介します。
パイロットインキ株式会社様 「ろじたん」インタビュー

ろじたんユーザー
パイロットインキ株式会社 みよし工場 生産本部 生産管理室
第一グループ 堀 貴俊 様
パイロットインキ株式会社(以下、パイロットインキ)では、新工場新設に伴い、工場内物流の効率化に取り組むために、ろじたんを導入しました。キーパーソンであるみよし工場 生産本部 生産管理室 第一グループ 堀 貴俊 様 にお話しを伺いました。(以下、敬称略。聞き手:NX総研)
1 ろじたん導入の背景
- 総研
- なぜ、ろじたんを導入されたいと、思われましたか?
- パイロット
インキ - 当社は筆記具の製造をおこなっており、社内には製造部門や工場内物流部門などの組織があります。製造部門では、各設備1台に対して必要な要員数の基準値が決まっているため、定量的な人員配置が可能です。一方、工場内物流部門は、要員数に関する基礎データがない状態でした。
“物流”、“作業分析”のキーワードでWEB検索した際、ろじたんを見つけました。ろじたんを導入すれば、要員数の基準値が算出できると考えました。
写真1 倉庫の入出庫エリア付近のイメージ 出所:パイロットインキ様よりご提供
2 「ろじたん」導入前における業務の概要および課題
- 総研
- ろじたん導入前の課題について教えてください。
- パイロット
インキ - ろじたん導入前の課題は、要員数を出す根拠がないことです。従来、経験上で得た感覚値を用いて、人員を配置していました。
当社のみよし工場は新しい工場のため、これから多数の設備を導入する予定です。そのため、ろじたんを使って、工場内物流の工程別要員数の基準値を試算しました。
写真2 保管エリアのイメージ 出所:パイロットインキ様よりご提供
3 「ろじたん」導入後の業務の概要
- 総研
- 今後、ろじたんのデータをどのように、活用したいですか?
- パイロット
インキ - 工場内物流部門では、生産に使う原材料のピッキング、入荷部材の棚入れ作業を行っています。
現状では、作業者の作業生産性には、ばらつきがみられます。当社の倉庫管理システム(WMS)では、作業別にログインしたハンディ端末を用いることで、ピック数、ロケ数、入庫数、出庫数、棚移動数などの物流量を把握できます。
一方、ろじたんでは、スマホ端末およびスマートウォッチを用いて、工程別の作業時間を把握することができます。
WMSの物流量をろじたんの作業時間で割って、個人別工程別作業生産性を把握することができました。
現状では、現時点での個人別作業生産性を把握することができたため、今後は個人の生産性を向上させる活動に活用し、将来的には、全体の作業をスピードアップしたいと考えています。
写真3 倉庫内作業のイメージ 出所:パイトロットインキ様よりご提供
4 「ろじたん」導入後の感想、成果
- 総研
- スマホ、スマートウォッチを導入した感想について教えてください。
- パイロット
インキ - 今回、スマホ4台、スマートウォッチ5台を利用しました。当社の工場は24時間稼働であり、3交代制の勤務体制です。特に1直の9時~17時30分の勤務の社員は、優先的にスマホまたはスマートウォッチのどちらか一方を選択できるようなルールでした。
現状では、1直の全員がスマートウォッチを選択しました。つまり、当社では、スマホよりも、スマートウォッチの方が好まれました。その理由として、スマートウォッチは腕に直接装着するため、スマホのウエストポーチのような保護カバーが不要であり、画面のボタンが指で直接押すことができて、使いやすいことが挙げられます。
写真4 スマートウォッチのろじたん画面のイメージ 出所:パイロットインキ様よりご提供
- 総研
- ろじたん導入のメリット、成果について、教えてください。
- パイロット
インキ - ろじたんの成果については、前述の通り、適正要員の算出根拠、個人別生産性を得られたことです。
今後、改善計画を立案する際、ろじたんを用いてデータで根拠を得るために、現状の作業時間を測ることは重要であると考えています。
例えば、当社は従来、作業日報を記録していません。ろじたんを利用して、日報が自動で得られることは、過去の作業実績を蓄積し、将来の計画立案に活用する際にメリットになります。時間帯別で何の作業をしているかがわかります。
当工場では、トラックが荷卸後、製品を積んで出荷する作業があります。いままでは、どれくらい作業時間がかかっていたか、わかりませんでした。ろじたんで測定すると、想像以上に、作業時間がかかっていることが判明しました。その対策として、他の作業者が応援することで、作業時間を短縮することができました。
作業者全体の作業内容は、タイムチャートで把握できるので、この人は、この時間、何をしているか、わかりました。今後、新しい仕事や作業が発生した際に、この時間に、この作業をこの人ができるなど、計画が立てられます。つまり、現状の物流全体を把握することは、当社にとって、メリットがあると考えています。
グラフ:作業別構成比率の可視化イメージ 出所:パイロットインキ様よりご提供
- 総研
- 事務業務を計測した感想について、教えてください。
- パイロット
インキ - 事務について測定したが、正直、当社の事務は多岐にわたるため、作業項目を絞り込むのが、やや難しかったです。今後、時間を掛けて、事務の作業時間分析に取り組む予定です。
将来的には、事務業務の洗い出しや棚卸を行い、より詳細な作業分析にチャレンジしたいと考えています。今後、時間を確保して、今回測定したデータを分析したいです。
今回、ろじたんで計測したかった作業項目は、ピック作業時間、棚入れ作業時間です。事務については、もう少し、細分化すると、良いデータが得られると考えました。
現状、事務担当者に余力があるのではと感じています。ろじたんの作業項目を見れば、作業者別の取り組み作業状況の傾向が把握できるので、閑散時間帯に、追加的な事務作業を実施することができます。今後は、ろじたんを用いて、事務業務量の繁閑把握と事務業務の作業量の平準化を目指したいです。 - 総研
- 将来的にろじたんで実現したいことについて、教えてください。
- パイロット
インキ - 個人別作業生産性は、長期間、データを蓄積したほうが精度が上がるため、ろじたんによる長期の作業実績データの計測を行いたいです。また、今回は、スマートウォッチを活用しましたが、スマートウォッチの歩数データを用いて、工程別の歩数分析を行いたいです。
- 総研
- 本日は貴重なお時間とご意見をたまわり、誠に有難うございました