ろじたんを活用されている事例をご紹介します。
日本トランスシティ株式会社様「ろじたん」インタビュー
ろじたんユーザー
日本トランスシティ株式会社 営業本部 営業開発室 北岡室長補佐
トランスシティロジスティクス中部株式会社 西日本LCセンター長 兼 中部DCセンター長 森執行役員
「物流と人のハーモニー」をモットーとする日本トランスシティ株式会社。三重県四日市市に本社を置き、120年以上の歴史を誇る日本の老舗物流企業の一つです。国内外に拠点を持ち、倉庫業だけでなく陸上運送業、港湾運送業、国際複合輸送業なども取り扱っています。
同社には本インタビュー時点(2019年4月)で「 KNDC営業所(三重県四日市市)、枚方営業所(大阪府枚方市)、中部DC(三重県三重郡川越町)」の3拠点にて「ろじたん」をご利用いただいております。業務改善に向けた作業の可視化のために「ろじたん」を導入されましたが、今回最初に導入する際のキーパーソンであった営業本部・営業開発室の北岡室長補佐と2番目の導入拠点である中部DCのセンター長で、その他複数拠点も統括する森執行役員の2名にお話を伺いました。(以下、敬称略。聞き手:NX総研・坂東)
- 坂東
- 「ろじたん」を3拠点でお使い頂いていますが、まずは率直なご感想を。
- 森
- 2番目の導入ですが私が担当している中部DCの状況からお話しします。中部DCでは今年2月からの年間契約で、4台のタブレットで計測を行っています。まだ計測を初めて2ヶ月程ですが、データはきちんと取れています。スマホと比べてタブレットの良いところは、「管理者がリアルタイムで作業状況を見られること」と「日によって作業者の数が大きく変動しても柔軟に対応できること」でしょうか。リアルタイムの作業状況確認によって手間がかかっている作業に多くの人数を振り分けるなど作業者の配置変えを素早く対応できます。作業者の人数に大きな変動があってもタブレットの場合はICカードを使うので、スマホ端末よりは管理がずいぶん楽だと思います。作業者が記録のためにタブレット端末のある所まで移動する手間や、押し忘れが多い傾向があるとNX総研さんから当初聞いておりましたが、当社の場合はチーム単位で作業をしているので、チームの全員が同時にタッチを忘れるというのはないですね。計測については簡単で作業者への負担もなく、特に問題はありません。
- 坂東
- 計測開始してまだ2ヶ月ですと、具体的な改善結果などは出ていないと思いますが、そもそも中部DCに「ろじたん」を導入しようと思ったきっかけは?
- 森
- 昨今当社のどこの倉庫も人手不足には悩まされているのですが、中部DCが所在する地域は特に影響を受けていました。人件費や外注費もこれまで通りとはいかず、顧客とも協議してコスト増を認めていただきましたが、今後も継続していくであろう人手不足や、賃金上昇に伴う人件費などの負担もさらに大きくなることが予想されるため、どのような作業が効率が悪いのかを把握し問題点を洗い出し、一日の作業の流れでどのように無駄なく人を配置していくのかなどを、顧客と共に検討していくための省人化・コスト削減のソリューションとして活用できないかというのが「ろじたん」導入の理由です。北岡が四日市のセンターに計測のツール導入したことは聞いていたので、すぐに連絡を取りました。
- 計測したデータは当社内だけではなく、顧客とも共有しています。顧客と一緒に生産性などの数値や客観的なデータを見ながら改善方法について具体的な話(受注時間帯の変更など)ができるようになったのは大きな収穫だと思います。
写真1:事務所に設置したタブレット(中部DC)
写真2:倉庫内に設置したタブレットのステーション(中部DC)
- 坂東
- 有難うございます。最初に導入したKNDC営業所(三重県四日市市)とその次の枚方営業所(大阪府枚方市)はいかがでしょうか?また「ろじたん」を最初にKNDC営業所に導入しようと思った理由は?
- 北岡
- 当社も以前、ハンディターミナル(HDT)に簡易的なアプリを入れて生産性を把握していました。ところがHDT 1台ごとの設定と管理が大変で非常に困っていました。その頃当社の社員から「ろじたん」の紹介を受け、無料セミナーに参加し、どのようなものかは理解したのですが、まだHDTでもデータは取れていたので、すぐには導入しませんでした。
- 1年ちょっと前だったと思いますが、作業内容を把握して要員計画の適応性の確認を行う案件が発生し、HDTを利用するための簡易アプリの更新作業を行うのも大変だということで、NX総研の福井さん(注:ろじたんの西日本営業責任者)に連絡を取り、もう一度「ろじたん」の説明を聞いて、費用も大きくなかったので利用することに決めました。半年間で分析結果を提出する必要がありましたので、「3ケ月間計測してデータを分析、結果を出す」ということで導入の了承を得ました。
- KNDC営業所ではスマホ60台で3ヶ月間計測しました。ここは複数荷主の商品を取り扱う倉庫で、課題は(1)作業別の時間把握、(2)人員配置が正しくなされているかの把握(物量波動に対する要員計画の適応性)の主に2つでした。計測の結果によって現状の実態を正確に把握でき、特に(2)は人員配置が荷主別に上手く配置されていることが確認できました。社内への説明で「今の配置でいい。なぜなら~」と数値をもって説明することができ、説得力があったと思います。今後作業内容や取扱商品に大きな変更があれば変わってきますが、現在の配置であればどれ位まで対応できるだろう、というのも把握できたと思います。
- 枚方営業所はスマホ22台で、先月から測定を開始し現在もまだ継続中です。丁度今、私が3月分のデータを分析しているところです。ここも目的はKNDC営業所と同じく現状作業の把握(特に軽作業者の方の作業内容の実態)ですが、荷主の数が多く、流通加工業務も多くありますので、実態の把握により改善の余地が出てくるのではと感じています。ただこの「感じ」で判断してはダメなことをKNDC営業所のケースで学んでいます。まずは3ヶ月間、しっかりと数値を得ることが重要だと考えます。
- 坂東
- 「ろじたん」の良かった点は?
- 北岡
- まずは何といっても費用でしょう。導入コストとランニングコストが安い。他の時間計測ツールと較べてもずっと安かったです。次に計測結果により生産性の向上が図れましたし、顧客との交渉にも活用させて頂きました。
現場のリーダーにとっては作業日報の作成が自動化できたのが好評です。スマホの操作は2日間で作業者全員が問題なく利用できるようになりました。簡単です。 - 森
- 先程も申し上げましたがタブレットを使用している中部DCでは、作業状況をリアルタイムで見られるのが非常に有効です。配送先の業態によって作業内容が変わるので、時間帯別に各作業内容が把握できたり、受注の時間帯によって発生する空き時間が可視化されるようになり、作業配置の変更が機動的にできるようになりました。ちなみにタブレットは各倉庫に1台で(注:中部DC内に複数の倉庫がある)、基本的に伝票を置くところに設置してあります。頻繁に立ち寄る場所ですし、作業導線的にも効率が良いです。
- 坂東
- はい、では「ろじたん」を使ってみて困った点、改善が必要な点はございますか?
- 森
- 寒い日の朝はタブレットのWi-Fiの通信状態が悪くなる時が数回あり、再起動しないと通信できませんでした。またIDカードをかざした時に通信エラーのメッセージが出ることもあります。仕事開始の時のトラブルは困るのでこれらは改善して頂きたい。
- 北岡
- たくさんありますが、管理者の立場として列挙しますと;
- ・かんたんKPIで個人別の生産性が見れるようにして欲しい。
- ・スマホの「ピッキング」ボタンを押した時に、ピッキングリストのバーコードを読ませる仕組みを作って欲しい。実績データと簡単に紐付けができるので。
- ・スタッフ情報の設定部分で個人別に時給が登録できるようにして欲しい。(個人別概算コストを概算でなく正確に出したい。今はエクセルで個人別の時給テーブルを作ってコスト算出をしている。)
- ・管理者用画面の初期設定方法のコツを教えるセミナーをして欲しい。
- ・タブレットでも端末によって特定の画面だけが表示されるようにして欲しい。
- ・タブレットで9時からの朝礼の開始時間にカードをかざしてもらうことになっているが、人によって時間が前後するので、タブレット端末上で全員の朝礼開始時間を9時に変更できるような仕組みを作って欲しい。
- 坂東
- 有難うございます。ご意見のなかにはすぐ対応できるものと、追加の開発が必要なものとが混在しています。すぐ対応できるものは営業担当者に指示しておきます。開発が必要なものについては、開発チームに貴社ご要望を共有し今後の改良のベースデータとさせて頂きます。管理者様の教育については、以前「ろじたんデータ分析道場」といった専門セミナーを開催していたりしましたが、今後は動画によるレクチャービデオを準備していこうと企画中です。スマホ用手袋やランニング用ホルダーは弊社も真似させていただきます。本日は本当にお時間有難うございました。
写真3: 枚方営業所(大阪府枚方市)外観
写真4: 北岡氏(左)、森氏(右)
森氏が持つゆるキャラ人形は、三重県四日市市のマスコットキャラクター「こにゅうどうくん」